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「他院なら抜歯⁉︎|20代学生の骨を貫通した巨大病変(Through & Through)と変形根を救った精密根管治療の記録」

20代、再来した「銀歯の異変」
ある日、20代の学生さんが「銀歯のところが腫れて膿が出ている」と来院されました。
お話を伺うと、高校生の頃に根管治療(歯の神経の治療)を受けた歯とのことでした。
お口の中を拝見すると、歯ぐきには**フィステル(膿の出口)**がぷっくりと膨らんでおり、
内部で感染が進行していることが明らかな状態でした。

赤羽の歯医者で抜歯と診断されそうな歯の初診時口腔内写真20代右下6番|痛くない精密根管治療前の状態

抜歯と診断されそうな歯の初診時の状態

2. レントゲンに写った「季節外れの雪だるま」
診断のためにパノラマレントゲンを撮影したところ、
そこには目を疑うような所見が広がっていました。
根の先に**巨大な透過像(膿の袋)**が存在し、
まるで「季節外れの雪だるま」のように顎の骨を大きく溶かしていたのです。
さらに精査すると、この病変は頬側(表側)から舌側(裏側)まで骨を完全に貫通している
**「Through & Through(スルーアンドスルー)」**の状態でした。
骨が貫通しているこのケースは、保存治療の難易度が大きく上がる非常に難易度の高い重度感染症例です。

赤羽の歯医者でのパノラマレントゲン画像|抜歯診断されそうな歯の全体評価と根管治療の判断

全体の骨や歯の状態を確認するレントゲン

3. 「根の形」すら変えてしまう、根尖病変の影響
今回の症例をさらに難しくしていたのは、長期間放置された感染により、歯の根の先(根尖部)の形が大きく変形していた点です。
大きな根尖病変が長期間存在すると、炎症によって歯根の先端が吸収され、本来の形態を失い、複雑に歪んでしまうことがあります。
さらに重要なのは、
このような歯根吸収が起きている場合、感染が根管内にとどまらず、根尖の外側(根尖外)にまで及んでいる可能性が高いという点です。
つまり、
・根管内の感染除去だけでは不十分になる可能性がある
・根の外側に存在する感染源の影響も考慮する必要がある
という、治療難易度が大きく上がる状態です。

赤羽の歯医者で撮影した歯科用CT画像|根尖病変と骨欠損の状態|精密根管治療前

骨の欠損と感染の広がりを確認


まさに、**根管内外の感染を同時にコントロールする必要がある、極めて難易度の高い“迷路のような根管内環境”**となっていました。

4. 「一生使う歯」を守るための精密根管治療
まずは銀歯を除去し、歯根破折の有無を慎重に確認しました。
幸いにも破折は認められませんでした。
当院に通院されている親御さんとも十分にご相談し、
「20代という若さを考え、可能な限り歯を残したい」
という方針のもと、自由診療による精密根管治療を選択しました。
治療は、隔壁の作成ラバーダムによる無菌環境の確保
といった基本を徹底した上で開始します。

赤羽の歯医者で行うラバーダム防湿|痛くない精密根管治療で細菌感染を防ぐ処置

無菌環境を作るためのラバーダム


マイクロスコープで根管内を確認すると、内部は強い感染により高度に汚染されていました。
変形した根の先や複雑な感染部位を、顕微鏡下で一つひとつ確認しながら徹底的に除去・洗浄。
赤羽の歯医者での再根管治療|感染したガッタパーチャ除去と内部洗浄|痛くない治療

感染源を徹底的に除去


赤羽の歯医者での再根管治療|感染したガッタパーチャ除去と内部洗浄2|痛くない治療

感染源を徹底的に洗浄


最終的に、高い封鎖性と生体親和性を持つMTAセメントを用いて根管充填を行いました。
赤羽の歯医者で使用するMTAセメント|精密根管治療で再感染を防ぐ高封鎖材料

再発を防ぐための封鎖処置


赤羽の歯医者での根管治療後レントゲン|根尖部の改善と封鎖状態を確認

治療後の状態を確認


5. 半年後に確認された骨の再生
治療から半年後、経過観察のため再診いただきました。
その結果、非常に良好な変化が確認されました。
あれほど大きく、骨を貫通していた
Through & Through病変が明らかに縮小し、骨の再生が進行していたのです。
赤羽の歯医者での歯科用CT半年後|骨再生が確認できた精密根管治療の成功例

骨がしっかり再生してきています


空洞だった部分には新たな骨組織が形成され、
治癒に向かっていることが画像上でも明確に確認できました。
後日、親御さんにも経過をご説明したところ、
大変安心されたご様子でした。
赤羽の歯医者でのCT比較画像1|精密根管治療前後で骨欠損が改善した症例

治療前後で骨の状態が大きく改善1


赤羽の歯医者でのCT比較画像|精密根管治療前後で骨欠損が改善した症例
2

治療前後で骨の状態が大きく改善2

6. 治療後こそ重要な「長期管理」
現在は被せ物を装着し、機能的には問題のない状態ですが、
今回のような大きな病変の場合、治療の本質はここからです。
今後もCTなどを用いて、
・病変が完全に消失するか
・再発がないか
を長期的にフォローしていきます。

まとめ|「抜歯しかない」と言われた方へ
今回の症例のように、
・骨が貫通している
・根の形が変形している
といったケースでも、
精密な根管治療によって歯を保存できる可能性があります。
「抜歯しかない」と言われた方でも、選択肢は一つではありません。
赤羽で歯医者をお探しの方、
再治療を繰り返している方は、
一度、精密検査を受けてみることをおすすめします。

治療内容: マイクロスコープを用いた精密根管治療  精密支台築造 精密クラウン
費用: 精密根管治療 12万円〜25万円(税別)
   精密支台築造 3万円(税別)
   精密クラウン 10万〜23万(税別)
※ 根管治療の費用は症状や治療内容によって異なります。
当院では事前にしっかりと検査・ご説明を行い、ご納得いただいた上で治療を進めております。※初診料・再診料は別途かかります。

回数: 1回〜6回
治療に伴うリスクについて
根管治療は歯を残すための有効な治療法ですが、歯の状態によっては改善しない場合や、再治療が必要となることもあります。
また、症状や感染の程度によっては外科的な処置が必要となる場合もあります。

まずは現在の状態を正確に診断することが重要です。

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執筆者:梅田 直宏(Naohiro Umeda)

赤羽クレア歯科・矯正歯科 院長

米国顕微鏡歯科学会(AMED)認定医

日本顕微鏡歯科学会(JAMD)認定医

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