十分な研鑽を積んだ医師と
マイクロスコープを使った
歯の残す、できるだけ削らない治療

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根管治療とは・・・

歯科用パノラマレントゲンやCTで根尖病巣(歯槽骨が菌によって溶かされてできる膿の塊)が確認された場合は、再根管治療が必要です。被せ物や土台を外し、前回詰めたポイント類を除去した後、ファイルや色々な器具を使って根管内の感染組織を除去します。
1回目よりも治療回数が長くなることが多く、1ヶ月以上かかるケースも珍しくありません。

治療中はマイクロスコープを使用するため時間はかかりますが、感染組織の取り残しや根管内の小さなヒビの見落としなどを回避することができ、再トラブルのリスクを大幅に下げられます。
やり直し治療を繰り返せば繰り返すほど成功率は必ず下がりますので、1回目の根管治療から精密な方法で治療を受ける事をお勧めします。

根管治療はこんな方が対象です

  • 何もしなくても歯が痛い
  • 飲食するとかなり痛む
  • 激痛で夜もしっかり眠れない
  • 歯の治療をしていたが抜歯と言われた
  • 根管治療がいつまでたっても終わらない
  • 根管治療をしても痛みや腫れが治まらない
  • 他院で歯を抜かなければいけないと言われた

木を見て森を見ず

木を見て森を見ずとは、物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと。


院長

歯科で例えるならば…

木をしっかり見るということは、マイクロスコープの使用により細部まで目視でき、痛みの原因となる感染源を見つけ、精密な治療ができる対処療法を示します。また森を見るとは、自由診療での診査・診断では原因をくまなく探し治療する原因療法です。
当院では、痛みを取るだけの対処療法では病気は再発してしまいます。痛みが出てきた根本的な原因を知り、それを含めて治療しなければ原因療法にはなりません。
歯科医院での治療を繰り返すことになっていませんか?

FLOW

根管治療の流れ

  1. 人工物・虫歯除去

    まずは虫歯をしっかり除去します。
    人工物を入れている場合は当院では歯を極力残す様に人工物のみを削りますが、前回治療時に歯がほとんど削られているケースも少なくありません。残存歯質が少ない場合は次のステップの「隔壁」に移ります。

  2. 隔壁

    根管治療をする上で大切なことは、根管内に唾液や血液が侵入するのを防ぐことです。
    そのためにはラバーダムという道具が必要になるのですが、歯の高さがある程度なければ使用できません。もともと被せ物が入っていた場合だと歯冠が残っていないことがあり、高さをだすためにコンポジットレジンを使用します。
    虫歯が大きく歯茎が歯質の上に乗っている場合は麻酔をして綺麗に歯茎を除去してから隔壁を作ります。

  3. ラバーダム防湿

    根管治療をする対象の歯だけがシートの外側にでるようセットし、金属やプラスチックの枠を使ってシート全体を広げます。特定の歯(歯冠)以外はシートの内側にあるため、根管内に唾液や血液が入る心配がありません。徹底した感染予防は、根管治療の成功度のアップに役立ちます。
    治療中はラバーダムを使用した状態が続きますので、何かあれば左手を上げてお知らせください。

  4. 器具を使い神経や感染物質をとる

    ファイルや様々な器具を使って、神経を含む歯髄と感染物質を取り除きます。
    根管の形は人によって異なり、神経が極端に細くなっていたり、複雑に曲がっているケースも少なくありません。難易度が高ければそれだけ時間がかかり、場合によっては数回に分けて取り除きます。
    とくに歯髄がすでに壊死している場合や、以前に根管治療をして再び内部の感染がみられた場合は、この工程が数回続く事があります。

  5. 洗浄

    有機質溶解剤である次亜塩素酸ナトリウム水溶液と、無機質溶解剤であるEDTAという薬剤を交互に使って根管内を洗浄します。
    次亜塩素酸ナトリウム水溶液には強力な抗菌作用と抗ウイルス作用があり、細菌だけでなく真菌やウイルスにもある程度有効です。EDTAにはファイルを使用して発生した削りカスを溶かす役目があります。
    そのほかにも自由診療ではQ-mix2in1などの薬液も使用します。

  6. 根管充填

    根管内の水分を取り、場合により酸化亜鉛を主成分としたガッタパーチャポイントとアクセサリーポイントを使って空洞を埋めていきます。
    ポイントの先にシーラーとよばれる糊のような薬をつけることで、根管との密着性が高まります。自由診療では抗菌作用のあるシーラーやMTAセメントを使用する事も可能です。
    空洞を埋めたら飛び出した部分のポイントを切り、仮蓋をして終了です。

  7. 土台

    精密土台

    ラバーダム防湿をして接着力を高める為にい色々な薬剤を使いプラスチックの重合変形を極力抑えるために特殊な素材のものと数回に分け少しずつ時間をかけて重合させます。

    保険土台

    接着剤を塗りプラスチックなどで土台を作ります。

  8. 最終的な治療

    あとは形を整えて最後の型取りをしてまた約1週間ほどお待ちいただき、最終的な被せ物をセットしたら全ての治療が終了です。
    再トラブルを防ぐためにも定期検診は忘れずにお受けください。

日本で神経をとる成功率は30%程度

根管治療の精度 被せ物の精度 成功率
パターン1 ○高い精密度 ○自費 91.4%
パターン2 △中度の精密度 ○自費 67.6%
パターン3 ○高い精密度 ×保険 44.1%
パターン4 ×低い精密度 ×保険 18.1%

※米国での統計資料より

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2005年9月〜2006年12月東京医科歯科大学むし歯外来での根管治療のX線(レントゲン)透過像調査たところ、保険での根管治療後に膿が見つかったのが、50%以上を超える値でした。根管治療は特質的な治療ではなくごく一般的な治療ですが、日本における保険での根管治療は非常に低い成功率と言えます。
一方、米国では成功率90%以上高い数値が見られます。その違いには何があるのでしょうか。

日本の保険での根管治療と米国の根管治療の違い

日本での保険治療による根管治療のマイクロスコープの使用率は、7%程度、そのほとんどが肉眼での治療をいまだに行っていることがわかります。肉眼で見えないものですから、ほぼ勘が頼りです。
さらには治療にかける時間も圧倒的に短く使っている器具の清掃能力や薬液の殺菌力が低いので細菌が残っても仕方がありません。

日本の根管治療 米国の根管治療
ラバーダムの使用 なし あり
マイクロスコープの使用 ※1 なし あり
1回の診療時間 5分~30分 60分~90分
器具による清掃範囲 ※2 狭い 広い
洗浄液 殺菌能力弱い 殺菌能力高い
通院回数 ※3 5~6回 1~3回
土台からの漏洩 高い 低い
被せ物の制度 悪い
成功率 30%~50%以下 90%以上

※1、2 当院では保険でもマイクロスコープは使用します。

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上の表で示しているように

  • 隔壁・ラバーダム防湿をしていないため、治療をしながら唾液による再感染させている。
  • マイクロスコープ未使用のため、感染物の取り残し
  • 物理的に除去出来ないので綺麗に出来ない。
  • 洗浄液なので殺菌効果が弱い。
  • 1回の治療時間を長く取れないため回数が多くなり、仮蓋の期間が長いため脱落による再感染のリスクが上がる。
  • 土台の密閉性が低いため 後から感染しやすい
  • 被せ物の精度が悪いため虫歯などになりやすく感染しやすい

という理由で日本の一般的な根管治療は米国の根管治療より成功率は低いのです。

では、なぜ米国と同じ方法とらないのか?という疑問になりますが、これは使用する機材が海外に比べ、日本の価格が高く導入する歯科医院が少ないことが原因です。
保険での根管治療でもしっかり治療してくれる医院もありますが、機器や機材の差で成功率に大きく差が出てしまう結果が出てしまいました。
当院では、精密な根管治療の患者様に供給できる機器や機材を取り揃え、1日でもご自身の歯を守るお手伝いをしております。

根管治療に必要な先進的な設備を完備

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マイクロスコープ

歯の根の中は真っすぐではなく、複雑な形をしているので根管治療にはマイクロスコープが欠かせません。治療する部分を拡大して、細部まで確認しにくかった部分も拡大した映像を見ながら治療ができます。

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ラバーダム

根管治療をする対象の歯だけがシートの外側にでるようセットし、金属やプラスチックの枠を使ってシート全体を広げます。特定の歯(歯冠)以外はシートの内側にあるため、根管内に唾液や血液が入る心配がなく、徹底した感染予防は根管治療の成功度のアップに役立ちます。

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歯科用3DCT

歯科用CTは「骨の状態」「血管や神経の位置」「病状の進行具合」などの3次元の情報を精度高く把握することができます。それぞれの治療でより正確な診査・診断で安全性の高い治療が可能になります。

根管治療の成功と失敗。どうして失敗がわかるのか

根管治療が成功か失敗かどうかすぐわかりません。
神経をとった後、ほとんど一時的に痛みは治まりますが、何ヶ月、何年と時間の経過により歯の周りの骨を溶かし膿が溜まり、失敗したことがわかります。
この時痛みは出る時と出ない時があります。
それを診断にするには、レントゲンではなく歯科用CTのある歯科医院をお選びください。

根管治療失敗した時の症状

症状としては、痛みが出る、腫れる、ニキビみたいなものが出来る、噛むと痛い、熱い物を食べると痛い、お風呂や布団にはいって温まると痛い、ドクドク拍動痛があるなど様々です。
上記のどれか症状がある場合は、歯科医院での詳しく診査をお勧めします。

\ 一度治療した後症状がある /
根管治療を失敗した時の治療


根管治療のやり直し

感染経路がありそう、治療中ラバーダム防湿や隔壁をしていないマイクロスコープを使っていないなど、問題がある場合は必ず根管治療のやり直しが第一選択です。
再治療だけでも治る見込みは十分にあるので諦めずに一度受診してみてください。

歯根端切除術

精密根管治療をしても根尖病巣が消えない場合は、歯ぐきを開いて根尖部分を切り取る手術をします。
麻酔をするため治療中の痛みはなく、確実に病巣を除去できる方法です。
デメリットとしては、歯の位置によっては歯根端切除術自体ができない場合がある点と、中度から重度の歯周病がみられる場合は歯のグラつきが大きくなる可能性があるという点が挙げられます。外科手術になるため、処置後に痛み止めや化膿止めを服用する必要がある点もデメリットといえるでしょう。また、歯ぐきを切ることから歯肉退縮(歯ぐきが下がること)がおこる可能性があります。
しかし、根管治療を何度も繰り返すのは根管の厚みを減らし、ヒビや破折のリスクを上げる原因でもあるため、早めに歯根端切除術をご提案させていただく場合もあります。

抜歯

精密根管治療や歯根端切除術をしても再発を繰り返す場合や歯根に破折がみられ修復が不可能な場合は抜歯が必要です。歯を失うことにはなりますが、ほかの歯を守るためには残しておくことはできません。
歯の状態によって治療時間は異なり、脆ければそれだけ「掴んで引き抜く」ということが難しくなるため、時間がかかります。
抜歯後はインプラントや入れ歯、ブリッジなど歯を失った部位の機能回復を目的とした治療を計画します。歯がない状態を放置するのは、両側の歯が倒れてきて歯並びや噛み合わせが崩れるリスクがあるためおすすめできません。食べる楽しみを失わないためにも、しっかりと次の治療についても考えていきましょう。

2度、3度と治療になればなるほど成功率は下がり、もし根管治療で治らない場合は抜歯となリます。
「最初の治療」が慎重かつとても重要な治療なのです。
抜歯して、インプラントにするのも否定はしません。ですが、自分の歯より良いインプラントなど存在しません。
ご自分の歯が1番いいのはあきらかなのです。

COST

根管治療費用

根管治療(保険:3割負担の方) 約2,000~10,000円

-自由診療

マイクロエンドドンティックス(顕微鏡を使った歯の神経の治療)

滅菌・消毒・消耗品代 33,000円

精密根管治療

前歯 1本 55,000円
小臼歯 1本 77,000円
大臼歯 1本 99,000円
コア除去 1本 22,000円
GP除去 1本 33,000円
ファイル除去 1本 33,000円
パーフォレーションリペア 1本 33,000円

エンドドンティックマイクロサージェリー
(歯の先端をマイクロスコープを使って除去する方法

滅菌・消毒・消耗品代 33,000円
根尖切除外科手術代 前歯 1本 55,000円
小臼歯・大臼歯 1本 77,000円